17/06/2012

Heikan no Setsu

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- heikan no setsu 閉関の説
"on seclusion", "statement of closure" -



. Basho - His Works - Archives . .


under construction
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Written in the seventh lunar month of 1693
元禄6年7月. after O-Bon, Basho age 50
(some sources quote 1692).

and then he closed his haikai groups and meetings and stopped teaching.
The two poems show his feeling of deep loneliness.


朝顔や昼は鎖おろす門の垣
asagao ya hiru wa joo orosu mon no kaki

morning glories—
locked during daytime,
my fence gate

Tr. Barnhill


the morning glory -
all day long, a bolt
fastened to my gate

Tr. Ueda


- - - - -


蕣や是も又我が友ならず
asagao ya kore mo mata waga tomo narazu

morning glories—
even they, too, are not
my friend

Tr. Barnhill


Ah! The Morning-glory!
'Tis not my friend, either.

Tr. Miyamori Asataro


the morning glory -
that, too, now turns out to be
no friend of mine

Tr. Ueda



More haiku about asagao and yugao by
. Matsuo Basho 松尾芭蕉 - Archives of the WKD .


shunka 蕣花 mukuge blossoms
also used to indicate a beautiful lady

. WKD : mukuge 木槿 Rose of Sharon.

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閉関の説 Heikan to Setsu

元禄6年7月盆後

 色は君子のにくむところ*にして、仏も五戒*の初めに置けりといへども、さすがに捨てがたき情のあやにくに*、あはれなるかたがた*も多かるべし。人知れぬくらぶ山の梅の下臥しに*、思ひのほかのにほひにしみて*、忍ぶの岡の人目の関も守る人なくては*、いかなるあやまちをかしいでむ。海人の子の波の枕に袖しをれて*、家を売り身を失ふためしも多かれど、老いの身の行く末をむさぼり*、米銭の中に魂を苦しめて*、ものの情をわきまへざるには*、はるかに増して罪ゆるしぬべく、人生七十を稀なりとして、身の盛りなることは、わづかに二十余年なり。

初めの老いの来たれること*、一夜の夢のごとし。五十年・六十年のよはひ傾ぶくより、あさましうくづほれて*、宵寝がちに朝起きしたる寝ざめの分別*、何事をかむさぼる。おろかなる者は思ふこと多し。煩悩増長して一芸すぐるる者は*、是非のすぐるる者なり。これをもて世の営みに当てて、貪欲の魔界に心を怒らし、溝洫*におぼれて生かすことあたはずと、南華老仙*のただ利害を破却し、老若を忘れて閑にならむこそ、老いの楽しみとは言ふべけれ。

人来れば無用の弁あり。出でては他の家業をさまたぐるもうし。孫敬*が戸を閉ぢて、杜五郎*が門をとざさむには。友なきを友とし、貧しきを富めりとして、五十年の頑夫*、みづから書し、みづから禁戒となす。

source : itoyo/basho


with the following explanations

色は君子のにくむところ:論語では、「君子に三戒あり。少き時は血気未だ定まらず、これを戒むること色に在り。其の壮なるに及んでは血気方に剛なり、これを戒むること闘に在り。其の老いたるに及んでは血気既に衰う、これを戒むること得に在り。」(若いとき血の気が多いから「色」に、壮年期には血気まさに旺盛だから「闘(あらそい)」に気をつけよ。年老いたら「得(よく))」を戒めよ」と言っている。
五戒:仏教における在家の信者の守るべき戒め。殺生・盗み・姦通・虚言・飲酒の禁止をいう
あやにく:ままならないこと。
あはれなるかたがた:恋の上手な(多情な)人々。
人知れぬくらぶ山の梅の下臥しに:くらぶ山は京都の鞍馬山のこと。梅は、紀貫之の歌「梅の花にほい春べはくらぶ山やみに越ゆれどしるくぞありける」(『古今集』)をかけた。「人知れぬ下伏し」は、人目を避けた逢瀬の意。
思ひのほかのにほひにしみて:恋の虜となりあhてて。
忍ぶの岡の人目の関も守る人なくては:人目を忍ぶ恋路の邪魔をする人目が無かったら、の意。邪魔が無ければ何処まで身を焦がして破滅してしまうか分からない、というのである。
海人の子の波の枕に袖しをれて:古歌「白波の寄する汀に世を過す海士の子なれば宿も定めず」(『和漢朗詠集』)からとった。遊女との恋に身をやつしてしまう、の意。
老いの身の行く末をむさぼり:長生きすることに恋々として強欲になること。
米銭の中に魂を苦しめて:物欲や金銭欲に悩み苦しんで、の意。
ものの情をわきまへざるには:情趣の分からないようなこと、または人。
初めの老いの来たれること:初めの老いとは初老の意で40歳の男子をいう。その年齢までにはあっという間の時間だというのである。
あさましうくづほれて:見る影も無いほどに衰弱して、の意
宵寝がちに朝起きしたる寝ざめの分別:寝ても覚めても考えることは、の意。
煩悩増長して一芸すぐるる者は:『徒然草』参照。
溝洫:<こうきょく>と読む。田んぼの溝のこと。
南華老仙:<なんかろうせん>と読む。荘子のこと。
孫敬:孫敬は、門を閉じて常に読書三昧であったという。
杜五郎:杜五郎という人は、何年も戸を閉じて外出しなかったという。
頑夫:<がんぷ>と読む。頑固者。芭蕉自身のこと。


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